十と百に寄せて
谷川俊太郞
ゼロがついただけで
何故十は一より大きくなれるのだろう
ゼロが増えただけで
何故百は十より立派に見えるのだろう
ヒトの年はゼロから始まって
十を過ぎることができたとしても
百を過ぎることはなかなか難しい
それなのにヒトはアタマで億や兆を考える
欲に駆られた金の話に限らない
宇宙を語れば小学生でも何百億と平気で言う
ゼロがつけばつくほど数はどこまでも増長して
アタマを風船みたいに膨らませる
自分のカラダはどこまでいっても一なのに
宇宙もほんらいーなのに
数を覚えたおかげでヒトは大事な一を忘れる
ゼロを畏れることを忘れる
無限とはゼロが増え続けることではないと
誰もが心の底では知っているのに
足すのではなくゼロを掛ければどうなるかだっ
て分かっているのに
閨情
李奎報
寂寂空閨裏
錦枕披向誰
相思深夜恨
唯有一燈知
<山行詠紅葉>
shān xíng yǒng hóng yè
淸 / 蔣超
. qing Jiǎng chāo
誰把丹靑抹樹陰
shuí bǎ dān qīng mǒ shù yīn
冷香紅玉碧雲深
lěng xiāng hóng yù bì yún shēn
天公醉後橫拖筆
tiān gōng zuì hòu héng tuō bǐ
顚倒春秋花木心
diān dào chūn qiū huā mù xīn